
こんにちは。元量販店カメラ担当のふわくです。
さて、 EOS R5とEOS R6が、ついに公式発表され、今まさに、ものすごい盛り上がりを見せています。
しかし、すでに買う買う病を発症して、冷静さを欠いてしまっているアナタに、少し冷静になっていただくために、2つだけ忠告させていただきます。
高い買い物です。あわてずに決断しましょう。

買う気になってるのに水を差すんじゃないの!

RFマウントのレンズは種類が少ない。単焦点好きな人は特に注意!
まずは一つめの話はこれ。
「カメラを買ったはいいが、欲しいレンズがなかった。」
とならないように、今一度冷静になりましょう。
さて、現在RFマウントのレンズは14本発売されています。






むかしむかし、「芸能人は歯が命」というCMがありましたが、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラにとっては、レンズが命です。
使いたいレンズがないのに、カメラだけあっても仕方ないわけです。
人気どころのズームレンズについては一通り基本は押さえてあるものの、それでもまだ少ないです。
特に、私が大好きな単焦点レンズのラインナップの少なさにはびっくりです。
- RF35mm F1.8 MACRO IS STM
- RF50mm F1.2 L USM
- RF85mm F1.2 L USM DS
- RF85mm F2 MACRO IS STM
- RF600mm F11 IS STM
- RF800mm F11 IS STM
しかも、このうち3本が85mm、そして、600mmと800mmの超望遠のF11レンズという、かなり変態なラインナップになっています。

また、明るい単焦点レンズが好きなかたも多いと思いますが、例えば私の大好物である広角(28mm,24mm)単焦点が一本もありません。
そして、子供撮りやポートレートで活躍する中望遠ポートレートレンズ(105mmや135mm)もなし。
85mmを3本も出すくらいなら、せめて1本くらいは別の焦点域にしてくれよ、って思っちゃいます。
また、標準レンズの代表格である50mmも、F1.2Lのみとなっています。
ちなみにこのレンズ、記事執筆時点でのネット最安値は約26万円となっています。ちなみに重量は950グラムもあります。
もう少し手軽で手ごろな標準レンズがあってもいいんじゃないでしょうか。。
個人的には重たすぎるレンズはちょっと懲り懲り(こりごり)です。
果たして8K動画は、手に負える代物(しろもの)なのか?

2つめの話は8Kです。
EOS R5はなんと初の8K動画に対応しました。
8Kについての詳細は割愛(かつあい)しますが、その圧倒的な解像度は、これまでにない臨場感を体験させてくれます。
ひょっとしたら、8Kの映像を実際にご覧になったことがある人もいらっしゃるかも知れませんね。
ちょっと次元の違うレベル美しさですよね。まさにリアルを超えたリアルというかなんというかとにかくすごい。
ちょっと詳しい人の中には、「俺、4Kはパスするわ。8Kこそが本命だからね。」と言って、
あえて4Kテレビを買い控えるという人もいると聞きます。
しかし、安易に8Kに飛びつくとやけどします。
どういうことか、少しだけお話します。
再生環境がまったく普及していない
4K対応テレビがかなり普及したという印象をお持ちの方は多いと思います。
しかし、総務省の発表では、2020年時点で4Kテレビの普及率の見込みは50%だそうです。そう、まだ世間の半分は4Kどころかフルハイビジョン(FHD)というわけです。
だって、4Kで撮られた作品が少ないんですから当然といえば当然ですよね。
そして、8Kになれば、テレビは恐ろしく高価になりますし、8Kを再生できるPCとなると20万円程度ではとても買えないでしょう。
そう考えると、8Kの再生環境を用意できるのは、当面はごく一部の人か、映像を生業(なりわい)とするプロフェッショナルに限られると思います。
ファイルサイズがバカでかい

すぐに再生しなくても、とりあえず8Kで撮って保存だけしておけば、いずれ普及する8K再生環境で綺麗な映像を堪能(たんのう)できるという考え方も確かにあります。
保存しておけば、「いやぁ、やっぱり8Kで撮っておいて本当に良かった。。」という日がやってくるかも知れません。
しかし、常に8Kで保管し続けるというのはなかなか大変だと思います。
というのも、ファイルサイズが4Kの比でないからです。



3,000万画素のカメラで毎秒30コマ以上で連射し続けるようなもんだよね。


快適な編集環境を持っている人はきわめて稀
はじめから8Kで保存したり再生するつもりはなく、4Kにダウンコンバートするために使うんだ、という人も多いと思います。

なんでわざわざそんなことをするかというと、画質の劣化を少なくすることができるからなんだ。

4K動画を編集するために、PCを買い替えた人は多いと思います。
私のPCも4K動画を編集してみたくて2年前にハイスペックなPCに買い替えた口です。
しかし、8K動画となると、そんな4Kの4倍の解像度を誇りますから、PCのスペックもざっと4倍は必要、と単純なものではないですが、安く見積もっても50万円クラスのPCが必要になることを覚悟しなければならないでしょう。

EOS R5はCF expressカード使えるし、液晶ちょっとだけデカいし、ファインダーは576万ドットあるし、上面にサブモニタ付いてるし、まぁとにかく8K以外のところを重視してんだよ俺は。
何より、シャッター耐性50万回だから、長く使えるしな。
てかメカシャッター50万回切るまでR5を使い続けるつもりか?どうせまた途中で別の機種に買い換えるんでしょ?


8K動画とかいらんから、EOS R6買うわ

次のような人にとって、EOS R6はかなり魅力的な商品なんじゃないかと思います。
- ぶっちゃけ、3000万画素クラスのカメラは必要ない。
- 三度のメシより高感度耐性が高いカメラが好き。
- 動画も撮るけど、4KやフルHDで十分。
- 動画でもバッチリ効く、最大8段分の手ブレ補正には正直かなり惹(ひ)かれてる。
ちょと横みちに逸(そ)れますが、私はかつてオリンパスのE-M1mark2を、動画用途で購入して使用しておりました。この機種は当時、ミラーレスで世界一手ブレ補正が効く製品でした。
さすがにジンバル並みとはいえないまでも、動画撮影においてかなり手ブレを抑えられており、手軽にハイクオリティな映像を撮ることができました。
そして4年後に満を持して登場した後継機種E-M1 mark3が最大7.5段という性能を掲げて登場し、業界を賑わせましたが、EOS R5/R6はそれを飛び越えて、最大8段を謳っているわけです。

たしかにそうなんですが、驚いてほしいのは、「フルサイズセンサーなのに8段」ってところ。
手ブレ補正は、機械処理と電子処理のあわせ技で補正しますが、機械処理では、センサーを物理的に動かすことになるわけです。
Olympusのようなマイクロフォーサーズセンサーであれば、本体内で大きくセンサーが動き回れますが、フルサイズセンサーはそうはいきません。
そういう点からも、フルサイズセンサーのカメラでこれくらいの手ブレ補正は難しいと思われていましたが、EOS R5/R6は、その常識をくつがえした製品といってもいいでしょう。
さて、話を戻します。
この強力な手振れ補正機能の他にも、連射性能は秒間20コマ、ディアルピクセルCMOS AF II等々、EOS R5と共通の機能がかなり多いんです。それにも関わらず、発売時(予約)価格が、EOS R5が約45万円であるのに対し、EOS R6は約30万円。
ということで、EOS R6は恐ろしいくらいコストパフォーマンスに優れた製品だと思います。
まとめ | 今は選べるレンズが少ないが、それでも買って幸せになれる人はいる


ということで、まとめます。
商品の細かい分析はほかのサイトにお任せして、私はさっさと書き逃げしたいと思いますw
私は・・・被写体である子どもたちがどんどん成長していく横で、 いつ発売されるかわからないレンズを待ち続けることは無理なので、今EOS Rシリーズを買うことはないでしょう。
(同じ理由でニコンのZも買いまへん)
個人的には、8K動画が撮れるからといって、45万円クラスのEOS R5を買うという選択肢はあり得ません。
8K動画機能を活かせるのはまだごく一部の人だけではないでしょうか。
もちろん、8K動画以外の機能も大変すぐれた製品となっているので、単純にスチル撮影でもハイスペックな製品であることは間違いはありません。
一方で、EOS R6は、個人的にはかなりグラっと来ました。
というのも、最大8段の手振れ補正と秒間20連射、画素数は控えめの2,000万画素。そして初値は税込み約30万円程度とくれば、R5より約15万円も安い。レンズ買ってもお釣りが来ちゃう~!とくればもうヤバい。
ただ、レンズ (特に単焦点) だけは、現時点では、自由に選べるという段階にはないのは間違いないです。ここが本当に惜しい!
とはいえ、上でも書いたように、ズームレンズは肝(きも)を押さえたラインナップが揃っています。
次のような人であればEOS R5、EOS R6を買ってもOKでしょう。
- 単焦点よりもズームレンズ派
- 単焦点レンズも好きだけど、種類は今後ゆっくり増えるだろうから心配していない
- 必要なレンズはもう持っているので、カメラだけグレードアップできればよい
- 自分が欲しいレンズはすでに発売されている
- キヤノンのEOSシリーズには昔から絶大な信頼を置いてい
- 他社のミラーレスはデザインが嫌い
- 8K動画、俺は必要なんだよ(EOS R5)
- 8K動画、いらないけどEOS R5並の性能は欲しい(EOS R6)
EOS Rシリーズは、往年のEOSシリーズ(一眼レフ)にデザインが近く、カメラ好きの心をくすぐります。
私もかつでEOSシリーズを所有しておりましたが、キヤノンのカメラは大好きだという点は申し上げておきます(笑)。
そして、今後RFマウントのレンズが増え続けるのは間違いないでしょう。
なので、今は欲しいレンズがなくても、今後出るレンズに期待してEOS Rシリーズを買っても良いと思います。
はい、今回はここまで!
皆さん、多少なりとも冷静になれましたか^^
