こんにちは。元量販店カメラ担当のふわくです。
Osmo ActionやGoProの電子手ブレ補正じゃ満足できない!という方、大変お待たせしました。
あのジンバル一体型小型ビデオカメラの新作DJI POCKET 2が、本日2020/10/31に発売です!
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え?続くんだ、このシリーズ・・・。
先代の「Osmo Pocket」が出たあとに、GoProの対抗馬として電子手ブレ補正機能を搭載したOsmo Actionが発売されたことで、
「あ、DJIはこっちに舵(かじ)切ったのね」
と思ったかたも多いかと思います。
でも、実際、ジンバル一体型のDJI Pocket2が発売されることになりました。なぜでしょう。
答えは簡単です。電子手ブレ補正は、
ジンバルによる手ブレ補正にはまだかなわないから。
ちなみに私はこれまで、GoProを愛用してきました。コンパクトだし、防水だし、手ブレ補正効くし、とても使い勝手がいいからです。
初めて手ブレ補正が搭載されたGoPro6を購入して以来、GoPro7、GoPro8と、続けて買い替えてきました。
バージョンアップのたびに、どんどん手ブレ補正が強力になっていきましたが、まだあのときの感動を上回ることはありません。
そう、私が初めてジンバル一体型カメラ「Osmo」を使ったときの感動です。
スマホが液晶モニター代わりだった初代Osmo(画像引用元:DJI STORE)
この初代Osmo、モニターがついていないので、スマホを代わりにモニターとして使う必要があったんですが、本体とのリンクが不安定だし、その他いろいろと不満が多かった初代Osmoでしたら、かつて体験したことのない「ヌルヌル感」を味わわせてくれました。
これがジンバルの威力か!そう思ったものです。
その魅惑の製品のDNAを引き継いた製品、DJI Pocket 2がついに発売されるわけです。
ワクワクしませんか!?
よいしょレビュー多すぎwww
前置きが長くなりました。
さて、このDJI Pocket 2、今日が発売日なのですが、10/20の発表直後から、続々と先行レビューが上がりました。
これらは、DJIによるスポンサードレビュー。つまりDJIの息のかかったレビューなわけです。
そんなこともあって、マイナス面について切り込まれているレビューはあまり多くないという印象をもちました。
最初は、実機をまだ使ったことがない私が記事を書くことに意味があるのだろうかと考えていましたが、良い点しか知らずに買ってしまって、あとで後悔することがないよう、ここはバカ正直な元量販店マネージャーが立ち上がるしかないと思い、記事を書くことにしました。
ちなみに、私はこの商品を予約済みなので、中立的な立場で商品を語ることができると思います。どうかご安心ください。
特に良い(進化した)ところ
Osmo Pocketよりも広角になった
もうこれ、みんな言ってますが、画角が広くなったは一番喜ばしい進化ポイントでしょう。これは間違いありません。
Osmo Pocketは、35mm換算の焦点距離が26mm相当と、アクションカム的な使い方や、自撮りVLOGなんかで使うには、なかなかに不便な焦点距離でした。
その不満に対する声にこたえるべく、Pocket 2では、一気に画角が広くなり、20mm相当になりました。
これにより、背景を広く取り入れた自撮りもできるようになりました。
そうなんです。
20mmとはいえ、GoProと比べてしまうと、まだまだ狭い。
たった4mmとはいえど、広角域での4mmというのはかなり差が出ますから。
磁石でワンタッチ装着可能なDJI POCKET 2 広角レンズ(画像引用元:DJI STORE)
なんかさー、「これ着けたらさらに広角に!」みたいに言う風潮あるけど、逆に言えば、これ着けなきゃ中途ハンパな広角ってことじゃん。。
まったくもって、ごもっとも。
センサーサイズが大きくなったことで自動的に20mm相当になったんだと思いますが、これ以上の広角化は、やっぱりオプションの広角レンズを着けざるを得ないんです。
なので、「画角が広くなったので、もう広角レンズなんかつけなくても十分!」というのはちょっと違うかなーという気がします。
ところで、この広角レンズ、本体に取り付けるときの磁力は弱めらしいのですが、実際に外れないかどうかをチェックしているレビューはないですね。
走ったり、ぶんぶん振り回してみてハズれないか心配です。購入後、実際試してみて、結果を報告させていただきます。
センサーサイズが大きくなった
Osmo PocketのCMOSセンサーのサイズは、1/2.3インチでしたが、DJI Pocket 2では、一気に1/1.7インチにサイズアップ!
これも素直に喜ぶべきポイントですね。
というのも、センサーサイズが大きくなることで、高感度性能が高くなり、薄暗いところや、室内での撮影時にもノイズが少ない映像が撮れるようになるからです。
ちなみにGoProは、1/2.3インチセンサーですが、室内ではノイズまみれで使い物になりません。
経験的に、もうこのサイズのセンサーには懲り懲りなわけです。
なので、GoProから飛んでくるアンケートに毎回書くんですよ。
「低照度のノイズが酷いからなんとかしてよ」
って。
しかし改善される気配が全くない。
想定しとけよ!!
GoProに話が逸れてしまいましたが、アクションカムと謳っていないPOCKETシリーズも、実際の使われ方を見ていると、GoProやOsmo Actionなどと用途の違いはほぼないと言っても差し支えないでしょう。
ということで、GoProに先駆けて、センサーサイズの拡大をはかったDJI Pocket 2に拍手!!
操作ジョイスティックがイイ
通常、ジンバル製品には、パンやチルト、モード変更などをボタンやジョイスティックで操作できるものがほとんどですが、旧製品のOsmo Pocketにはジョイスティックがありませんでした。
標準でジョイスティックがつくDJI Pocket 2(画像引用元:DJI STORE)
でもDJI Pocket 2では、↓のように、本体スティック面に、収まるかたちでジョイスティックがつけられるようになりました。
しかもこれ、標準付属品です。
標準でジョイスティックがつくDJI Pocket 2(画像引用元:DJI STORE)
ただ、このジョイスティック、操作するたびにポチっというクリック音が鳴るんです。
「音が鳴るのはいいね」とか言ってるレビューもみかけますが、正直、何がいいんだか。。
というのも、動画撮影中はなるべく余計な音が鳴らないに越したことがないからですからね。
パン、チルトをするたびに、あとで編集でポチポチ音を消さなければならないかも知れないのは残念なポイントですね。
まぁ、このコンパクトさと便利さに免じて、ひとまず良しとしますが。。
ActiveTrack 3.0
ActiveTrackといえば、DJIのお家芸(おいえげい)ですが、ドローンで培ったすごい技術ですね。
要は、追っかけたい被写体を選択することで、勝手にPocket 2が首をグリングリン動かしながら追いかけ続けてくれる機能です。
これは、手持ちで使うときだけでなく、三脚で固定したときこそ力を発揮してくれると思います。
これがバージョン3.0となってさらに高精度にトラッキングできるようになりました。
個人的に真っ先に思い浮かぶ活用シーンとしては、誕生日パーティーで主役をメインで撮るような場面でしょうか。
通常は三脚で固定してしまうと、主役がフレームアウトしたら映りませんが、Active Track機能を使えば、追いかけ続けてくれるわけですから、完全にお任せでも安心して撮れる(撮ってもらえる)というメリットがあります。
これはGoProやOsmo Actionでは絶対に出来ない芸当ですね。
ちょっと微妙なところ
画素数が6,400万画素に大幅アップ
さて、センサーサイズが大きくなったのに乗じて、画素数がOsmo Pocketの1,200万画素から、6,400万画素に大幅にアップしました。
「より高精細になりましたねぇ!」っておいおい。
センサーサイズが大きくなったとはいえ、1/1.7型のセンサーで6,400万画素は荷が重すぎでしょ。
センサーサイズに見合わない高画素化は、高感度性能や階調表現に悪影響が及ぶなど、あまりいいことがないんですよね。
そもそもDJI Pocket2に6,400万画素もの高画素を求める人っているの?って話。
4K動画は800万画素台なんだし、先代Osmo Pocketと同じ1,200万画素で十分だったんじゃないでしょうかね。
そのほうが、高感度性能だってもっと上がったはずですし。
商品のインパクトを高めるためだけの画素数アップみたいなことは、金輪際(こんりんざい)やめていただきたいものです。
幸い、Pocket 2は画像処理性能がよくなっているのか、↓の比較動画を見る限り、大きな犠牲はなさそうで一安心ではありますが。ほっ。
バッテリーが本体内蔵なので、予備バッテリーでの運用はできない
Osmo Pocketと変わらず、バッテリーの着脱ができません。
ということは、バッテリー切れになってしまったら、一度充電しないと撮影できないわけです。
今どき動画撮影機でこれはないでしょ!
そんなわけで、私はあまり長回しはしない派なので、バッテリー交換できなくてもそれほど困らなかったりします。
あと、バッテリーとバッテリーチャージャーを揃えると結構いい値段しちゃいますしね。
ところで、DJI Pocket 2は、一度の充電で最大2時間20分ほど持つようですが、これはフルHDでの駆動時間でしょう。
4Kやワイヤレス機能を使用すると使用可能時間は1時間以下になる可能性があります。
とにかく、バッテリー持ちが心配な方は、モバイルバッテリーを一つ買っておくと安心でしょう。
防水機能はない
GoProやOsmo Actionはそのままで防水機能を備えていますが、DJI Pocket 2には防水機能はありません。
まぁ、これはある意味これはいたしかたないところではあるんですが。
というのも、DJI Pocket 2は、ジンバルが一体となっているため、機械の可動部分があるからです。
防水と両立するのは事実上、不可能に近いかも知れませんね。
夏に、GoProにスティックを着けた状態で海で使ったことがあったんです。
本体は海水だろうが全く無事だったんですが、スティックの金属部分が錆びついてしまって、使い物にならなくなってしまいました。
しっかり洗っていればよかったのでしょうけど。。
DJI Pocket 2の防水ケースなら、ハンドル一体型のDJI Pocket 2をまるごとカバーしてくれるので、安心して使えそうなのがいいな、と思いました。
仮に落としてしまっても、衝撃からも守ってくれそうですし、なかなか頼もしいアイテムかな、と思っています。
120fps,240fpsで撮影時に音声が撮れない
私の場合は、最初からこの映像はスローモーションで撮るぞ、と決めてから撮ることはほとんどなくて、あとからスローモーションにしたい箇所を部分的に使う感じなので、音声付きで高フレームレートで撮れないのはちょと残念です。
ちなみにGoProでは音声も撮れました。
あまり私のような使い方する人っていないのかなぁ。。
あってもなくてもいい機能
AI編集機能が搭載されていますが、撮影後に動画編集ソフトで編集する人にとっては、「これいるの?」と思ってしまう機能でしょうね。
まぁ、機能がある分には困らないのでいいんですが、こういった機能も結局は製品の価格に含まれるわけなので。。
標準セットと、クリエイターコンボ、どっちを選べばいいの?
ご存知のとおり、DJI POCKET 2には、標準セットと、クリエイターコンボの2種類が存在します。
違いは付属品の種類ですが、どちらを選べばよいか悩んでいらっしゃる方も多いかと思います。
どっちを選べばよいか?という質問に対しては、用途次第としかお答えできませんが・・・
私は標準セットを選びました。
このあと、その理由も述べます。
まず、標準セットの同梱内容を見てみましょう。
DJI Pocket 2 標準セット(画像引用元:DJI STORE)
そして、クリエイターコンボがこちら↓
DJI Pocket 2 クリエイターコンボ(画像引用元:DJI STORE)
標準セットの価格は、49,500円。クリエイターコンボの価格は、64,500円。
価格差は15,000円。
また、標準セットにはなくて、クリエイターコンボにあるものは、以下のアイテムです。
- ワイヤレスマイクトランスミッター&ウィンドスクリーン(単体価格:11,000円)
- Do-It-Allハンドル(単体価格:11,000円)
- 広角レンズ(単体価格:5,500円)
- マイクロ三脚(単体価格:3,080円)
- USB二股充電ケーブル(単品価格:不明)
だったら、あとから買うよりも、クリエイターコンボ買っといたほうが16,000円もお得やん!
本当に必要なアイテムにお金をかけたほうがいいと思います。
個人的には、防水ケースと広角レンズは必須です。
クリエイターコンボには広角レンズが付いてきますが、残念ながら防水ケースは付いてきません。
ちなみに、クリエイターコンボ+防水ケースだと、約70,000円になります。うーん、高い。
でもちょっと待てよ、と・・・。
標準レンズ+本当に必要な防水ケースと広角レンズだけだったら、約60,000円で済む。
つまり、クリエイターコンボよりも約5,000円安いのに、防水ケースと広角レンズは揃う、ということになります。
ちょっと冷静になってほしい。ワイヤレスマイクって本当に必要?
まず、クリエイターコンボの同梱品で、最も価格が高い、以下の2アイテム。
これだけで22,000円の商品です。
- ワイヤレスマイクトランスミッター&ウィンドスクリーン(単体価格:11,000円)
- Do-It-Allハンドル(単体価格:11,000円)
Do-It-Allハンドルというのは、スマホとPocket 2を連携したり、ワイヤレスマイクと連携するために必須となるアイテムです。
スマホと連携して何ができるかというと、モニター代わりになったり、離れた位置から操作できたり、といったことができるようになります。
私は、手持ちで普通に撮影することが多いので、まず特に必要な場面がありません。
また、カメラを三脚に立てた状態で撮影することもありますが、そういう場合はたいてい、あらかじめ構図が定まっていたりするので、やはり離れた位置からの確認や操作を必要とする場面はほとんどありません。
あと、ワイヤレスマイク。これも、使いみちを一生懸命イメージしてみましたが(笑)、残念ながら、活用場面が思い浮かびませんでした。
私の主な被写体は、子供たちなんですが、たとえば、一人にマイクを付けた状態で撮れば、その子の声ははっきり撮れるでしょう。でも、もう一人の子の声は拾えなくなる、ということになります。
そもそも、声が届かなくなるほど離れた位置から撮影することもほとんどない。だったら、やっぱり本体側のマイクでいいじゃん。ってことで、私はクリエイターコンボではなく、標準セットを選びました。
とまぁ、個人的には使いみちはなさそうなワイヤレスマイクではありますが、最初にお伝えしたとおり、用途次第かとは思います。ワイヤレスマイクを使いたかった人にとっては、非常にありがたいアイテムになるでしょう。
ワイヤレスマイクを使いたい方は、絶対に単体で揃えるよりも、クリエイターコンボを買ったほうが確実にお得です。
まとめ | さぁ、その手に魔法を
この商品、冷静に分析してみると、完璧とは言えません。
しかし、それでも欲しくなってしまう魅力的な商品であることは間違いなく、現に、この私もGoProからの乗り換えを決め、予約しました。
センサーサイズが大きくなったこと、画角がより一層広くなったことは、旧製品Osmo Pocketからの非常に大きな進化ポイントです。
しかし、DJI Poket2の本当の魅力は、この記事の一番最初にも書いたとおり、ジンバルによる圧倒的ヌルヌル映像が撮れるという点です。
ここ最近の電子手ブレ補正はたしかにジンバルに迫るものがありますが、まだ追いついてはいません。
そして、それがこの小さなマシンで実現できていることこそが、このDJI Pocket2の最大の魅力なのです。
ワンランク上のクオリティを目指す上で、ジンバルによるヌルヌル手ブレ補正を、このサイズで体験できるというのはまさに魔法です。
まだ体験したことが無い方は、ぜひ、その手に魔法を!
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