こんにちは。ふわくです。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gは5年前(2013年10月)発売の商品ですが、今もなお売れ続けているレンズです。
そして、カメラやレンズを短い間でとっかえひっかえするわたしが珍く長期間愛用している商品なので、当サイト初のレビュー記事ではぜひこの商品をご紹介したいと思っていました。
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子どもが生まれたら、なんとしても手に入れたいプレミアムレンズ
こどもが生まれたら、
こんな写真や・・・
NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
こんな写真・・・
NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
そしてこんな写真など
NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
いっぱい撮って、たくさんの思い出を残したい&残してあげたいですよね。
その一心で、多くの親たちが一眼レフやミラーレス一眼のデビューまたは買い替えを決断されるのではないでしょうか。
わたしもあなたの気持ち、よーーくわかりますよ(笑)。
でもせっかく一眼レフ、ミラーレス一眼を買っても、レンズの選択をあやまると非常に悲しい結果になってしまいます。
ニコンのAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gなら、
きっとあなたの希望を叶えてくれますよ。
もう迷いたくない。その思いがこのレンズを引き寄せた。
わたしがこのレンズを買った理由は、「迷うわずらわしさ」から開放されたかったためです。
どういうことか、少しお話しさせていただきます。
レンズに振り回される人生はもうイヤだ
子どもが生まれてまず最初に買ったのは、中古の一眼レフカメラ(ニコン D3s)と、シグマの 35mm F1.4 DG HSM | Art でした。
これがまた素晴らしいレンズで、D3sのようなフルサイズのカメラで使うと、室内でも狭くならずに自然な距離感で撮影できますし、F1.4と明るいので、35mmのわりには非常によくボケるという特徴があります。
そして、こんな感じに結構寄れるのもこのレンズのいいところ。
SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art
と・こ・ろ・が!!
外で少し距離を置いて撮るようなシーンでは、どうしてもボケが弱くなりがちで、物足りなさを感じることも多くなってきました。
ということで、外で子どもと距離を撮ったときにもボケる、いわゆるポートレートレンズも欲しくなり、NIKON AF-S NIKKOR 85mm f/1.4Gを買うことになったのです。
これもまた実に素晴らしいレンズです(笑)。
被写体から多少離れた位置から撮っても、このようにしっかりとボケが得られました。
うん、計画どおり(笑)。
NIKON AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G
これら2本のレンズがあれば当面はバッチリOK!
のはずでした・・・。
と・こ・ろ・が!!
この2つのレンズ、フルサイズカメラで使えば、広角と望遠という棲み分けができるはずなのですが、
どちらを使うべきか迷うシーンが意外にも多いことに気づいたのです。
室内で85mmを使うことはまずありませんから、まず迷うことはありません。
問題は屋外です。
外の世界は当然、いろいろ条件が異なるシーンが多く、
「ここだと35mmは短かすぎる(広すぎる)なぁ。よし、85mmに付け替えよう・・・。」
「逆に、ここは85mmだと長すぎる(狭すぎる)なぁ。うん、35mmにしよう・・・。」
「あ、ちょっと待てよ、今付け替えてもまたすぐ85mmが必要になりそうだからやっぱこのままにしとくか・・・。」
このように迷うことがとても多かったのです。
最初は2本あれば完璧!ぐらいに思っていたのですが、逆にレンズに振り回されることになってしまったのです。
忙しくレンズ交換しながら撮影するというのは実にわずらわしいものでした。
百歩ゆずって、一人で撮影しているならまだしも、だいたい家族といっしょですから、なおさらそう感じられました。
「こんなのもうイヤだ!1本に絞ってもっと撮影に集中したい!」
そうだ、標準レンズ 1本に統合してしまおう!
そんなわけで、35mmと85mmはいずれもわずか半年程度で売り払い、思い切って1本に絞ることにしました。
結論から言うと、この決断は大正解でした。
画質やボケ味でいっさい妥協したくなかったので、ズームレンズという選択肢はありませんでした。
しかし、すぐにAF-S NIKKOR 58mm f/1.4G に決まったわけではなく、そこからまた、あらたなレンズ選びの旅がはじまったのです。
35mmと85mmの間をとって、50mm付近のいわゆる「標準レンズ」にすることはすでに決まっていて、以下の3本のレンズが候補がありました。
【候補その1】Sigma 50mm F1.4 DG HSM | Art
画像引用:シグマ株式会社のWebサイトより
候補になった理由は・・・
・35mm Artが素晴らしかったので、期待値が高かった。
・価格が手頃。
マイナスポイントは・・・
・ネットにある数々の撮影画像を見る限り、解像度は高いがボケ味の質が好みじゃない。
【候補その2】ZEISS Otus 1.4/55
画像引用:カールツァイス株式会社のWebサイトより
候補になった理由は・・・
・ネットで見かける撮影画像がどれもいい。
・価格はバケモノ級に高いけど、一生モノのレンズと考えればありか!?
・ボケ好きとしては、50mmじゃなくて55mmという絶妙な画角差に強い興味をもった。
マイナスポイントは・・・
やっぱり高い。
実売35万円とかさすがにないわー。
【候補その3】Nikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
(c)デジかめん
候補になった理由は・・・
・デザインがいいと思った。
・58mmという標準レンズにしては長めの焦点距離が気になった。
マイナスポイントは・・・
・軽い分、プラスチッキーでチープ(らしい)
・クセがあり、意図どおりに撮るのが難しい(らしい)
Otusに寄り道したけど、最終的にAF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
メインの1本に選ぶなら、やっぱり徹底的にいいものにこだわりたいという思いが強かったので、チープと言われているAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gは実は最初からほとんど眼中にありませんでした。
Otusなら間違いないだろうということで、候補のなかから選ばれたのは、Zweiss Otus 1.4/55でした。
思い切ってOtusを買ったものの、わずか半年で売却に至った3つの理由
しかし、次のような理由で、わずか半年ほどで手放すことになりました。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#f44336″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]売った理由その1:とにかく重い。[/st-minihukidashi]
一番の理由はなんと言っても重いことです。
970グラムですよ?
ちなみにフードも金属で重いので、これもつけると1リットルの牛乳パックを超えます。
Nikon D5300への取り付けイメージ
もちろん、買う前から重量は知っていましたが、当初は高級感があれば多少重くても仕方ないと思っていました。
しかしそれは大きな間違いでした。
ここぞというときにだけ持ち出す望遠ズームレンズならまだしも、常用でこの重さは結構つらいです。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#f44336″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]売った理由その2:AF機能がないのが意外に不便だった[/st-minihukidashi]
画質さえよければ、AF(オートフォーカス)はなくてもいいや、くらいに思っていたのですが、片手がふさがった状態で、シャッターチャンスが訪れることって意外とよくあるんですよね・・・。
MF(マニュアルフォーカス)しかないこのレンズは、そういった場面では不便きわまりないです。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#f44336″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]売った理由その3:デザインがいまいちしっくりこない[/st-minihukidashi]
フードをつけると、とても美しい曲線を描くしなやかなデザインなのですが、これがどうにもニコンのゴツゴツ感には、(特に私が使っているD3sには)似合いませんでした。
これもまた、実際にカメラに取り付けてみて、はじめて気づいた点でした。
頑張って撮ったベストアングルショットだからね。
でも青色のロゴといい、とにかく「これじゃない」感が漂ってるの。
写真を撮るための道具にすぎないという割り切りができればいいのですが、わたしはカメラバカなので、やはり外観にも多少こだわります。
また、他にも、NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gに乗り換えるだけの理由がいくつもあったのです。
NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gに乗り換えた7つの理由
逆に、乗り換えたことでデメリットはないの?
Otus 1.4/55の絵作りはやはり素晴らしく、解像度の高さ、各収差のなさ、そして肝心のボケ味も美しく、まるで欠点のつけどころが見当たりません。
それに対し、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gには、絵作りにおいて、以下の弱点があります。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#f44336″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]弱点その1:ぐるぐるボケ[/st-minihukidashi]
開放あたりで撮ると、ぐるぐるボケが発生します。
正式には非点収差と呼ぶそうですが、細かいことは抜きにして、とりあえず実際に写真を見ていただいたほうがわかりやすいと思います。
NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
落ち葉がぐるぐると渦(うず)を巻いているのがわかると思います。
これを味ととられる人もいるようですが、正直、わたしは大嫌いです。
ただ、次の条件がそろわなければ出ません。
・被写体が結構ちかい
・小さくて明るいモノ(光)が背景にたくさんある
・絞りを開放F1.4に設定
つまり、これらのうち、どれか一つをやめれば回避できることになります。ほっ。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#f44336″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]弱点その2:画角が狭いので、室内を広く写すのには向かない[/st-minihukidashi]
58mmなので、標準レンズにしては狭めの画角になります。
室内で背景も広く写すのには向いていませんので、ポートレート的な使い方がメインになります。
NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
あ、でも広いお家にお住まいの方には関係ないかも知れません(笑)。
さて、前置きが長くなりましたが、こられの欠点が霞(かす)むほどのメリットがあったからこそ、乗り換えることになったのです。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#4FC3F7″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]魅力その1:美しすぎるボケ[/st-minihukidashi]
このレンズの最大の魅力は美しいボケ味にあります。
とろけるようなボケの美しさは、Otusに引けを取らないどころか、それを上回る気さえします。
さすがは、ニコン初の三次元ハイファイという思想設計で作られただけあります。
要するに、解像度やコントラストの高さばかりを重視せず、いわゆる「味」を大事にして、ボケ味にも徹底的にこだわった製品なのです。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#4FC3F7″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]魅力その2:めちゃ軽い[/st-minihukidashi]
乗り換えた最大の理由はこの軽さです。
Otusの1,060グラムに対して、このレンズはわずか385グラム。
カメラを手に取るのがおっくうに感じることもありましたが、それが解消されました。
このレンズを買ってはじめて軽さは正義だなと実感しました。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#4FC3F7″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]魅力その3:デザインが美しい[/st-minihukidashi]
プラスチッキーで安っぽいという意見も少なからずありますが、わたしはその意見には真っ向から反対します。
外装の塗装や、堂々とした太い筐体、そしてニコンのトレードマークである金環やナノクリスタルコートの「N」の文字は身震いするほどの高級感を醸し出してくれます(笑)。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#4FC3F7″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]魅力その4:ピント合わせが速い[/st-minihukidashi]
子どもというのはなかなかじっとしていてくれませんが、常に素早いピント合わせができるのでとても助かっています。
また、MFオンリーのOtusと違って、片手がふさがっていても撮れるので超ベンリです。
AFだから当たり前なんですけどね。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#4FC3F7″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]魅力その5:誰が撮ってもプロっぽく写る[/st-minihukidashi]
まずは何も考えずに、絞り開放で撮ってみてください。
何も難しいことはありません。
被写体にピントさえ合わせればいいのです。
NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
これははじめてレンズを箱から出して、あわててシャッターを切ったテキトーショットですが、いい感じに雰囲気が出てますよね。
この自然でなだらかなボケ味は、このレンズの最大の魅力です。
一方で、ネット上では、このレンズについて、「じゃじゃ馬だ」だの「クセがあって使いづらい」という意見もあります。
その理由の一つとしては、被写体が近くて絞りが開放だと当然ピントが合う範囲が小さくなりますから、そのへんのことを指していると思われます。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#4FC3F7″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]魅力その6:動画撮影がめちゃ楽しい[/st-minihukidashi]
このレンズをつけるとなにげない日常もなぜか作品みたいに撮れてしまうから不思議です。
また逆に、撮り方によっては、ボケの美しさだけではなく、しっかりと解像感を出した画作りもできますから、わたしは「じゃじゃ馬」という評価については、批判ではなく、褒め言葉だととらえています。
カメラの最大解像度は720pですが、それでもレンズがよければこのクオリティです!
やっぱり大事なのはレンズだと実感させられますね。
[st-minihukidashi fontawesome=”” fontsize=”” fontweight=”” bgcolor=”#4FC3F7″ color=”#fff” margin=”0 0 20px 0″]魅力その7:安い[/st-minihukidashi]
これを安いと言うと、金銭感覚がイカれていると思われるかも知れませんが、あくまでOtusと比較した場合の話です。
だって・・・半値ですよ?
【おまけ】ニコンの最新ミラーレス一眼Z 6IIやZ 7IIでは使えない?
残念ながらこのレンズはZマウントのZ6IIやZ7IIでは使えませんが、実はマウントアダプターを使用することで全く問題なく使えます。
昨年、ニコン純正のマウントアダプター FTZも発売されました。
画像引用:マウントアダプターFTZ|株式会社ニコンイメージングジャパンのWebサイトより
Zマウントの標準単焦点レンズとしては現在50/1.8のみで他に選択肢がなく、
今後58mm/F0.95 Noctの発売が予定されておりますが、実売価格は30万円を軽々と超えてくると思います。
また、F0.95ということもあり、重量もかなり重いと思われます。
Z6IIやZ7IIのボディのサイズ・重量感からしても、58/F1.4Gとの組み合わせはバランスも非常に思われますので、ものすごくオススメです。
まとめ | このレンズはこんな人におすすめ
「子どもが生まれたけど、どのレンズを選んだらいいか迷ってしまう・・・」
という方、このレンズなら「誰でもカンタンに」「美しいボケをいかしたドラマティックな画作り」ができます。
「でもゆくゆくは、お遊戯会や運動会になったら結局望遠レンズも買わなきゃいけないよね・・・」
たしかに小学校以上の運動会では望遠レンズが必要になると思います。
しかし、保育園卒園までの6年くらいはこれ1本だけでも十分!わたしの体験談です。
広角レンズではありませんから、パパ・ママがほんの少し前に出ればちゃんと対応できます。
また、イマドキのカメラは解像度が高いので、トリミングすればいかにも望遠レンズを使ったかのような作品作りもできます。
NIKON AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
逆に、引きで撮れば広角になりますし、とにかく足さえつかえば無限の使い方ができるのもこのレンズの魅力だと思います。
足をつかって撮るという写真撮影の基本も自然と身につく大変お得なレンズです。
そんなわけで、子ども撮りレンズで迷ったらこれ1本!
元デジカメ店員のふわくが自信をもってオススメします(笑)。
※実話です。
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