こんにちは。元量販店カメラ担当のふわくです。
今回はニコンの28mm/1.4Eのご紹介です。
あ、いきなり話が逸(そ)れてしまいました。
ニコンには一眼「レフ」のレンズラインナップが山のようにあります。今回はそんな宝の中の一つをご紹介します。
記事の前半では、購入に至る経緯(いきさつ)を中心に、
記事の後半では、実際に使ってみた所感や実写を中心にご紹介します。
ぜひお好きなところからご覧ください♪
購入のきっかけ
58mm/1.4G 一本の運用に限界を感じ始めた
「所有するレンズは1本だけ」
そう心に決め、ニコン渾身(こんしん)の力作、AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G(以下、58mm/1.4G)を購入したのが5年前。
いわゆる標準レンズに属する焦点距離のレンズなので、足を使って前に出たり、後ろに下がったり、といった手間を惜しまなければ、結構オールマイティーに使えちゃいます。
単に画角的なオールマイティーさを求めるだけなら、ズームレンズのほうが当然便利なんですが、このレンズはズームレンズでは味わえない「魔力的なまでに美しいボケ味」が堪能(たんのう)できる凄いレンズ。
そんな58mm/1.4Gですが、室内で使うにはやっぱり長い。
そう、画角が狭いんです。
メインの被写体は子どもたちなんですが、58mm/1.4Gを購入した当初、子どもはまだ一人だけでしたから、フレーミングもわりと自在に出来ていたんですが、子どもが二人に増えると、(家の中で)子ども二人の様子を同時にフレームにおさめるとなると、なかなか不便に感じることが多くなってきたのです。
さらに、子どもが大きくなるに連れ、広い範囲で動き回るようになるので、たとえフレームに収めるのが一人だけであっても意図した構図で捉えるというのが難しく、せっかくの開放F値1.4を絞らないといけないことが増えてしまい、小さなストレスとなっていました。
めちゃ使いやすいやんけ! -はじめての広角レンズとの出会い-
そこで、ためしに、室内用にとニコン Ai Nikkor 28mm f/2.8S(以下、28mm/2.8S)を買って使ってみたところ、これがまぁ使いやすいこと。感動しました。
まず、室内で子どもたちを撮るのに素晴らしく便利だということ。
今までは後ろに下がっても「ここが限界かぁ・・・」ということが多かったのに、ドンピシャリとハマる画角。
しかもF2.8と明るいこともあり、グッと近寄って撮ると広角でもちゃんとボケるんですね。おもしろい!
メインレンズの座を奪わんばかりに使用頻度が上がり続ける28mm/2.8S。
そんななか、天から次のようなお告げがきこえてきました。
「ユー、58mm売っちゃいなよ。」
たしかに、28mmと58mmの2本をうまく使い分けられる自信はありませんでした。
というのも、かつて35mmと85mmの2本体制で、レンズ交換に翻弄(ほんろう)されるのに嫌気が差して58mm一本に統合した経緯(いきさつ)があったからです。
しかし、その一方で、レンズ1本だけの運用にも限界も感じ始めていました。
新・メインレンズ AF-S NIKKOR 28mm f1.4E ED との出会い
28mm/2.8Sは素晴らしいレンズです。しかし、58mm/1.4Gの代わりにはなれない。
そう。次のような事実から、28mm/2.8Sへの一本化はためらわれたんです。
- 近づけばボケるが、いつもそういう状況で撮るわけではない
- ボケるとはいっても当然58mm/1.4Gのような強烈なボケが味わえるわけではない
- MF(マニュアルフォーカス)レンズなので、動く被写体に対応しにくい
- F2.8と明るいものの、室内ではストロボ使用またはISO感度の増感が必須
そんなわけで、いきなりある結論に達しました。
それは・・・
「メインは28mmでいく!屋外?望遠レンズとの二台体制にするわ。」
でした。
屋外のボケ担当は望遠レンズ、それ意外は28mm、という棲み分け(すみわけ)宣言です。
レンズ一本主義は今日からやめます(笑)。
さようなら28mm/2.8S、いらっしゃい28mm/1.4E
広角レンズは画角が広くて便利である一方で、被写界深度が深い、つまり、ボケ表現には弱いという特性があります。
しかし、28mm/2.8Sで「ボケる広角」の楽しみを味わってからは、広い画角とボケを両立できる「もっと明るい28mm」、そうです、AF-S NIKKOR 28mm f1.4E ED(以下、28mm/1.4E)に俄然興味が湧いてきたんです。
「2.8であんなんって、1.4だと一体どうなってしまうんだよ!」と。
2.8 だと被写体と少し距離を撮ると一気にボケが弱くなりますが、28mm/1.4Eはこのとおり。
ピントがあった木の実と背景のギャップでしっかりとヌケのよい絵になります。
これが28mm/1.4Eか!
贅を尽くした最上位単焦点。肝心の画質は??
まずは説明よりも写真をご覧いただきましょう。
室内だけで使うのはもったいないので、つけっぱなしの常用レンズとして屋外でも大変重宝します。
お次は、うちの親父のハンドメイドひょうたん。キュートでしょ(笑)。
周辺減光っぽく見えますが、レンズのせいではありません。
あえてレタッチで減光しています(笑)。
そしてお次は公園で撮影した一枚。
向かって右のまつげにピントを合わせています。
開放でも中央から外れた位置でしっかりシャープに映るのもこのレンズの大きな武器です。
素速いAF(オートフォーカス)
下の写真をご覧ください。
ブランコで遊ぶ子どもを間近で狙って顔にピントをあわせることができました。
ちなみに 開放のF1.4で コンティニュアスAFです。
AF速度についてはあまり特筆されることがないレンズなんですが、子どもたちのような動体撮影にも十分対応できるAFスピードを備えていることがわかると思います。
魅力はスペックだけじゃない。美しい外観に一目惚れ
このレンズに決めたのは、単にスペックが良かったからではありません。はじめて見たときにその美しい造形(ぞうけい)に心を打たれたんです。
無機物であるはずのレンズなのに、まるで生命体であるかのような美しい曲線美。
そして、いかにも大口径単焦点レンズらしい、この堂々としたサイズ感。
645グラムというそこそこの重量感ですが、同クラスの他社レンズは1,000グラムくらいあるので軽いほうです。
樹脂製ですが、見た目の高級感は申し分なしです。
しっとりと輝く金環(きんかん)にマグネシウム塗装が施されたこの大口径レンズに安っぽさは微塵(みじん)も感じられないどころか、まさに高級品そのもののです。
ニコン純正以外にも似たようなレンズはありますが、デザインもすべてひっくるめて満足のいくレンズは「これしかない!」と思いました。
カメラやレンズをただの道具だと割り切っている人は多いかも知れませんが、眺めるだけで楽しい。手に取るだけで心がおどる。いい製品というものにはそういった感情をいだかせる力があるように思えます。
惚れ惚れ(ほれぼれ)します・・・。
筒が太すぎないので、D850やD750、またはマウントアダプターを付けたZ6,Z7との組み合わせではさらにベストマッチングな気がします。
MADE IN JAPAN
実は高価な大口径単焦点レンズの中でも、MADE IN JAPANではない製品もありますが、安心してください。この製品は正真正銘の日本製です。
ちなみに、同じ1.4E兄弟の105mm/1.4Eは、MADE IN CHINAです。
「こんなに高価なレンズなのに中国製なの!?」という声が少なくないという意見がたくさんあります。
品質がたしかなのはわかるのですが、価格を考えると・・・なんとなく残念ですよね。
致命的な欠点も
はい、このレンズには致命的な欠点があります。
それは価格が高いことです。
価格コムの最安値でもまだ18万円以上します。(2020年1月末現在)
価格だけ見れば、本当に高いと思います。
ただ、ふわく的には、安かろう悪かろうなレンズを数本所有するより、高くてもいいもの、をじっくり味わい尽くすほうがいい写真が撮れると思います。何より愛着が違います!
【まとめ】 風景からポートレートまで高いレベルでこなす 、新世代の標準レンズ。
ポートレートよし、スナップよし、風景よし、これぞまさに常用すべき標準レンズと言っても過言ではないでしょう。
50mmあたりの標準レンズがどうにも扱いづらいという方にこそおすすめします。
しかし、F1.4という明るさは、風景しか撮らないという人にとってはオーバースペックだと思いますので、
そういう人はF2.8やF4などのレンズでも十分かと思います。
風景風景も撮るけど、スナップやポートレートでボケをいかした作品もガンガン撮りたいという人であれば、検討する余地が多いにあると思います。
24mm以下の超広角レンズと違って、パースがきつくないので、人物撮影が多い人には本当におすすめです。
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