上を見ればウン百万。まさに青天井なオーディオの世界。
しかし、PC用のコンパクトなデスクトップ用オーディオであれば、ゼロから揃えても5万円ちょっとあれば、ちゃんと満足できるまで行けます。
たとえばこんなやつ。
TANNOY タンノイ/GOLD 5 ニアフィールドスタジオモニター(ペア)
アクティブスピーカー単体構成も悪くはありませんが、せっかく5万円出すなら、もう少しこだわってみませんか?
※アクティブスピーカー・・・パッシブスピーカーと異なり、アンプを用意する必要がないアンプ内蔵スピーカーのこと。
今回は、私が実際に5万円台で構築したお値段以上の大満足セットをご紹介させていただきます。
最近は、Youtubeや音楽番組でしか音楽を聴かないという人も多いようで、音質にはそこまでこだわらないという方が多いようです。
しかし、至高の音楽再生環境があれば、日々の生活に潤いを与え、良質なストレス解消法を獲得するきっかけになるかも知れません。
そして、「音楽を聴くことが毎日の楽しみ」と言えるようになるはずです。
ということで、今回の記事は次のような方にこそご覧いただきたいと考えています。
- 音楽は聴けさえすればいいので、そこまで音にこだわるつもりはない。
- 金もかかるし、面倒なことは嫌なので音質の追求は諦めた。
- デスクトップで最高の音楽環境を追求したいけど、できれば5万円前後で収めたい。
- 音にはそれなりにこだわっていて、3万円くらいのPCスピーカーを使ってるけど、もっと高みを目指したい。
- アンプ+スピーカーで本格的なオーディオ環境を構築したつもりだけど、いまいち音に満足していない。
- どデカいシステムはイヤだけど、音には妥協したくない。
どれか一つでも当てはまるようでしたら、今回の記事はアナタの音楽ライフをより満足のいくものに変えるきっかけになるかも知れません。
※今回は、ヘッドホンではなく、スピーカーを使った環境を前提としています。
私が超オススメするヘッドホンはこちらをご参照ください。
結論:PRESONUS Eris E4.5とZEN DACとケーブルで最強システムを実現
いきなり結論です。
次のシンプルな組み合わせで5万円台最強のデスクトップ音楽再生環境が実現します。
- アクティブスピーカー:PRESONUS(プレソナス) Eris E4.5
- DAC:iFi audio ZEN DAC
- ケーブル類
- スピーカースタンド
音質という点において、同価格帯でこのセットのレベルを超えることは正直難しいのではないかと思っています。
では、ちょっと細かく見ていきたいと思います。
※2022/11/26 PRESONUS Eris E4.5の小型モデルEris E3.5 BT(Bluetooth搭載モデル)が、家電批評オブ・ザ・イヤー2022のスピーカー部門に選ばれました。
ほらね、いいスピーカーなんだってばほんと!
スピーカーは、PRESONUS(プレソナス) Eris E4.5 一択
スピーカーは、USA発のPRESONUSのEris E4.5という製品を選びました。
興味をそそったPRESONUSというメーカー
アンプとパッシブスピーカーの組み合わせでは、サイズ感、予算ともにマッチしないので、今回は最初から、アンプ内蔵のアクティブスピーカー狙いでした。
アクティブスピーカーといえば、ONKYO、YAMAHA、PIONEER、FOSTEX、JBL、TANNOY、BOSEあたりが有名。
(※KEFのLS50 WirelessIIのように非常な高価なものもありますが、そもそもこれは候補から除外してあります)
この中で私が買ったことがなかったのがTANNOYとRPRESONUSでした。
次の理由でPRESONUSのスピーカーに強い興味を惹かれました。
- TANNOYのGOLD5を店頭で聴いたが、期待したほどには解像感がなく、琴線に触れなかった。よくて価格相応という印象。
- PRESONUSのErisシリーズが本場の米Amazonでベストセラーかつ恐ろしく評価が高い。
- 下位モデルのEris E3.5を店頭で聴いたが、まさにクラス超えの音質に度肝を抜かれた。
ということで、PRESONUSに底知れないポテンシャルを感じ、私史上初のPRESONUSのスピーカーを購入することにしました。
ちなみに、このPRESONUSは、USA発のメーカーで、スタッフ全員がミュージシャンもしくはサウンドエンジニアというプロ集団で成り立っているとのことです。
もちろん、世界各国のユーザー(アマ、プロ)からも高い評価を受けています。
大きすぎず、小さすぎず
ステージは机の上になります。
威圧感満載の大型スピーカーは最初から除外です。小さいデスクだとそもそも置けません。
とはいえ、小さすぎるものは満足のいく結果が得られにくい。
どれだけ高音質を謳った製品でも、スピーカーだけは音質、特に中低音の再現性や上質な低音を味わうには、ある程度のサイズ感はどうしても必要となります。
Eris E4.5はデスクトップ用PCとしてはかなり絶妙なサイズ感となっています。
どうしてもデスクに置けない場合は、Eris E3.5でも良いと思いますが、置けるようならEris E4.5をオススメします。
(ちょっと寄り道):私のデスクトップ音楽環境遍歴
さて、肝心の音質について触れる前に・・・ちょっとここで私のデスクトップ音楽環境の遍歴の一部について述べさせていただきます。
というのも、PCオーディオを少しかじっただけのオッサンが気まぐれでオススメしているだけと思われてしまっては説得力がないと思ったからです。
私自身、小学校時代から大学卒業までバンド活動、大学時代にはDTMで作曲と、音楽を人に聴かせるという立場を長く経験し、聴かせる音にはそれなりにこだわってきましたが、もちろん自分で聴く音についても当然こだっていました。
PCが一般家庭に広く普及し始めたのは、Windows95が発売された1995年。今から27年前です。
当時はまだ、PC用スピーカーというジャンルの製品はほとんど存在しておらず、PCサプライメーカーがしょぼい製品を5千円から1万円程度で販売していた程度でした。
そして、それから10年ほどたって、ようやくONKYOやBOSEを始めとする大手オーディオブランド各社から本格的なPC用アクティブスピーカーが日本市場に登場し始めたと記憶しています。
私も当時、ONKYOのPCスピーカーを購入し、「PCでもいい音で音楽を楽しめる時代がついに来たよ・・・」と、幸せを噛み締めたものです。
しかし、人間というのはすぐにまた新しい幸せを追い求めてしまう愚かな生き物です。
「もっといい音で聴けないものか」
プリメインアンプ&パッシブスピーカーの組み合わせにステップアップするのにそう長い時間はかかりませんでした。
そのうちの一つがこれです。
SANSUI(山水)のアンプとセンモニ(YAMAHA NS-1000M)というどデカいスピーカーをデスクに置くまでの変態になってしまいました。
これを置くためにわざわざ幅2メートルのデスクを買う羽目になったという、なかなかのアホっぷりです。
アンプもスピーカーも中古ということもあり、当時、両方あわせて15万円程度のお手軽(?)なシステムでしたが、音質的には大変素晴らしく、デスクトップ音楽環境としてはもうここで卒業でいいかな、と思いました。
しかし、次第にこの凄まじい威圧感に居心地の悪さを感じている自分に気づいたんです。
そんなわけで、結局、このどデカいシステムとのお別れを決意しました。
その後、徐々にサイズダウンをしていくことになるのですが・・・
サイズダウン&コストダウンの弊害か、音質的にはまったく満足が行きませんでした。
耳が肥えただけ?いやいや、そんなことはないし、仮にそうだったとしても、本人が満足していないのであれば当然ダメダメなわけです。
その後、スピーカーを当時新発売されたYAMAHAのブックシェルフスピーカー NS-B750 に乗り換えたり、いろいろ試しました。
ちなみにこのNS-B750は、よく言えば聞き疲れしない音。だけど、リアリティに欠ける音で、全くの期待はずれ。
今思えば、アンプ側の性能不足が主な原因だったかも知れないのですが、あまり潤沢な予算もないので、このあたりで、「もうヘッドホンでいいや」となり、スピーカーはあくまでサブという位置づけに成り下がりました。
アンプを手放し、当時価格コムで評判がよかったという安直な理由で小型のアクティブスピーカー「FOSTEX PM0.3H」を購入したのです。アクティブスピーカーへの回帰です。
ところが、いざ使ってた第一印象は、
「うーん、やっぱりこのサイズでこの値段だもんな。ちょっとでも期待した私が馬鹿でした・・・」
無理もありません。だかだか15Wの出力のスピーカーに何を期待していたのかと。
もちろん、その後しばらく使用しても評価が覆ることはありませんでした。
ただ、誤解しないでいただきいのですが、このスピーカーをこき下ろす意図はもちろんありません。
PCのスピーカーってあまりいい音じゃないから外付けスピーカー買ってみようかな、という感じで、初めてPC用スピーカーを買うような人には、むしろオススメできます。
コストパフォーマンスにも優れますし、その高音質に驚くかも知れません。
ちなみに、うちでは現在TV用のスピーカーとして大迫力な音を出してくれているので今も重宝しています。
やっぱりまたスピーカーで音楽を楽しみたい
さてさて、そんなわけで、私の音楽鑑賞環境はヘッドホンが長らくメインになりました。
しかし、ふとしたきっかけで、
「やっぱりまたスピーカーで音楽を楽しみたい」
と、私のデスクトップ音楽熱が再燃することになりました。
やっぱり、スピーカーで聴く音楽というのは、ヘッドホンやイヤホンを使った場合には得られない感動があるんです。
もともと音楽はスピーカーで聴くことを想定して作られているということもあり、音源と耳の程よい距離を保ちながら空気を伝って届くリアルな音、立体感はやはり格別です。
そう、空間ごと楽しめるのがスピーカーなんです。
そして、今回、あらためてスピーカーで聴く最高のデスクトップ音楽環境を求め、今に至ったわけです。
音が・・・ヤバい!!
すみません、だいぶ横道に反れました。
さて、Eris E4.5で音楽を聴いてみて感じたことについて一言、いや、四言。
- 近くでボーカルのリアルな息遣いが感じられる。
- 楽器の音も、目の前で聴いているようなナマっぽさが素晴らしい。
- 「本物」の重低音が味わえる。
- 伸びやかな中高音が本当に気持ちいい。
そのとおりです。ですが、本当にそうなんだから仕方がありません。
バッハのオルガンでとろけ、迫力ある交響曲で興奮し、生・エレキともにリアリティが高いギターの音に昇天し、スピード感と締まりのあるベース音に胸が熱くなり、ジャズにムラムラ。最高じゃないですか。
この小型なシステムでここまでの結果を得られるとは正直想像していませんでした。
特に、小型なスピーカーでは低音の量感や質感が十分に再現できないことが多く、サブウーファーを追加しなければならなかったり、追加したとしても、結局バランスが悪く、「ボワ」っとした感じのお粗末な結果しか得られないことはよくあるんです。ですが、Eris E4.5は違います。
この忠実な音再現性は、モニタースピーカーとして設計されていることも大きいでしょう。
解像感や定位も素晴らしく、まさに聴くものの心を捉えて離しません。
とはいえ、もちろん、モニタースピーカーならすべて高いクオリティを発揮するかといえば、当然そうではありません。
とにかくですよ、久々に「いい音で音楽を聴くってやっぱ楽しいな!!」と素で感じさせてくれるスピーカーに出会えたことに感謝です。こんな感じは久々、いや、初めてかも知れません。
つい最近、安っすいヘッドホンで感動した、という話をしましたが、スピーカーから空気を伝って耳に音が届く体験も最高に楽しいです。
価格が安い分、筐体は樹脂
Eris E4.5はペアで2万円台と、この性能からするとかなり破格です。
おそらく筐体が樹脂であることも低コストを実現している大きな要因であると考えられます。
たしかに、手で触ってみると、チープな印象は否めません。
しかし、マット調で落ち着いた外観なので、見た目にはチープさは感じられません。
オーディオ機器は、インテリア的な要素もありますし、見た目がかなり大事ですからね。
その点は安心です。
次回予告 | 後編は、ZEN DACとケーブルについて
USB DAC製品「iFi Audio ZEN DAC」を組み合わせて初めてEris E4.5のポテンシャルを最大限に引き出されます。
ということで、次回の記事では、ZEN DACと必要なケーブルのご紹介、そして、今回のシステムに関するQ&Aをいくつか記載させていただく予定です。
お楽しみに!
コメント
コメント一覧 (2件)
ブログ拝見致しました。
オーディオ初心者です。
こちらのブログを参考にさせて頂き、同様のシステムにて音出ししたところ、想像を超えた音が出て大変、満足しております。
今後も、参考にさせて頂きます。
本当にありがとうございました。
ROKUOMIさん!
ご丁寧にコメントいただきましてありがとうございます!
ROKUOMIさんがご満足いただけたようでめちゃくちゃ嬉しいです😭
そうなんですよね、今まで一体何だったんだ、というくらいコスパに優れたシステムに私も度肝を抜かれましたw
この価格で沼から抜け出せるなら、これほど幸せなことってないですよね!
今回はROKUOMIさんのお力に慣れて本当に嬉しいです!
今後ともどうぞよろしくお願いします😆