こんにちは。元量販店カメラ担当のふわくです。
今回は、28-70mmのような標準ズームや、28mm,35mm,50mm,あたりの広角~標準域レンズをメインで使っている人が、屋外ポートレート用望遠レンズとしてSIGMA 135mm F1.8 DG(以下、135mm/1.8 Art)を組み合わせると幸せになれるよ、って話をします。
85mmや105mmあたりを検討されている方にとっても参考になるかと思いますのでぜひご覧ください。
目次を付けましたので、お好きなところからご覧ください。
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▼SONYユーザーにおすすめな135mmはこちらです^^
「所有レンズは1本だけでいい」そう言っていた私が2本目のレンズに手を出した理由
そもそも「所有レンズは1本」派だったふわくがなぜこのレンズを購入したか、という点についてお話します。
メインレンズの28mm/1.4Eは、室内でも屋外でもオールマイティに使える一方で、広角レンズという特性上、被写体との距離が離れるとボケが得られにくいという弱点がありました。
そのため、そこを補うために望遠レンズを検討し、最終的にこの 135mm/1.8 Artの購入に至ったというわけです。
いざ使ってみると、期待どおりの強烈なボケ。そして瞳へのガチピンが気持ちよすぎ!
いろいろなレンズと散々迷った末に選んだ1本でしたが、買って本当によかった。。
85mmや105mm、70-200mmではなく135mmを選んだワケ
私はF2.8以下の明るいレンズが大好物です。
理由は単純で、「よくボケるから」。
実際、私が今まで使ってきた18本のレンズのうち、5本がF2.8、 10本がF1.4でした。
今回も最初から明るいレンズに的を絞ってはいたものの、その中でもかなり迷いました。
明るいズームレンズのド定番、70-200mm/F2.8
明るい望遠レンズと聞いて、70-200mm/F2.8をイメージされる方は多いかも知れません。
わたし的にも、やはり候補の一つでした。
この70-200mm/2.8というのは、各レンズメーカーが競って高性能を追求しているレンズということもあり、画質は単焦点レンズと比べても遜色(そんしょく)ないレベルですし、AF(オートフォーカス)もめちゃくちゃ速い。
特に、私のように、動き回る子どもたちを被写体とする人にとって、これほど頼もしいレンズはないでしょう。
また、焦点距離は70mmスタートということで、私のメインレンズである28mmともかぶらないし、200mmまでの焦点域があるので、これ1本でいろんなシーンで活用できるスグレモノってわけです。
ただ!
重い&長い(デカい)のが最大の欠点。
この70-200mm/F2.8というレンズは、ニコン、シグマ、タムロンの3社とも軒並み1,500グラム級なので、「公園で子どもと遊びながら気軽に撮影♪」なんてわけにはいきません。
「重い」だけならまだしも、「長い」です。
めちゃめちゃ目立ちまっせ、これ。
また、70mmスタートという焦点距離を考えたときに、現在のメインレンズである28mmと迷ってしまうことがあるのではないかという心配もありました。
かつて35mmと85mmの2台で運用していたときは、どっちのレンズで撮ろうかと迷うようなシーンがよくありました。
そのため、頻繁にレンズ交換して使ってましたが、次第にそれが面倒くさく感じるようになり、
「いっそ、1本しかなかったら割り切れるんじゃないか?」
と思ったのが「レンズ1本教」に入信したきっかけでした。
そんなこんなで、70-200mm/2.8は、購入しない理由が多すぎて、あっけなく候補から外れました。
いいレンズなのは間違いないんですが。
85mmか105mmか135mmか。それが問題。
さて、本気で迷ったのはこの3種類の焦点距離のレンズです。
そう、85mm、105mm、135mmです。
H4:ポートレートの定番レンズといえば、85mm
AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G|画像引用元:ニコン
たとえば、ポートレートの王様的存在の85mm/F1.4は、F2.8では表現できないほどのやわらかいボケを表現できるのが特徴です。
かつて私も使ってました。
かなりとろけてますよね。
85mm/1.4Gを持っていた頃に撮ったものですが、この美しいボケが忘れられず、再度候補にあがりました。
また、解像度に定評のあるSIGMAも85mm/1.4artというレンズを出しており、ニコン同様とろけるボケが魅力のレンズなのでこれも同時に候補に上がりました。
ただ、ニコンと比べると倍近く重く(ニコン:595グラム、SIGMA1,130グラム)、ボテっとした感じのデザインがなんか好きになれないということで、結局候補からは外れました。
また、そもそも両レンズとも85mmということで、かつて35mmと迷っていたあの悪夢がフラッシュバックしてきたのです。
35mmで迷って、28mmだったら迷わないとはとても思えなかったのです。
ということで、85mmはないかな、というのが結論です。
105mmも良さげだけどどうなの?
2016年にニコンからAF-S NIKKOR 105mm f/1.4E EDが発売されました。
いわゆる三次元的ハイファイという新しいコンセプトのもと発売された第二弾のレンズ(第一弾は58/1.4G)で、ピント面から徐々になだらかにボケる立体感のある描写が特徴という触れ込みのレンズです。
58mm/1.4Gを長いことメインで使ってきた者としても、これは俄然(がぜん)気になるレンズでした。
サイズ感としては、85mm/1.4Gを一回り太く、少し長くした感じ。
85mmをさらに勇ましくした感じとでも言いましょうか。
AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED|画像引用元:ニコン
この寸胴(ずんどう)型、個人的にたまらなく好きなんですよね。これを眺めながらご飯三杯はいけちゃう気がします。
共感してくれるアナタとはいいお酒が飲めそうです(笑)。
何はともあれ、まずはFlickrのサンプル画像をご覧ください。
https://www.flickr.com/groups/nikon105mmf14/pool/
正直、 写真を見ても 、どこがどう三次元的ハイファイなの?って感じでよくわかりませんが、現代のレンズらしく、ピント面はくっきりと解像感しますし、ボケの綺麗さはピカイチです。
ただ、重量は985グラムと、最近のニコンのレンズにしてはかなりの重量級です。
また、絞りが開放付近だと口径食が目立つというのが実に惜しい・・・。いや、このレンズに限ったことではないんですけどね。
85mm/1.4Gもそうなんですが、これあまり好きじゃないですね。
せっかく1.4と明るいレンズなので、開放で撮る贅沢を味わい尽くしたいところですが、口径食をおさえるために絞るというのはもったいなさすぎる。。
対して、105mm/F1.4というスペックを誇るシグマの105/1.4artはどうか。
AF-S NIKKOR 105mm f/1.4E ED|画像引用元:ニコン
このレンズは「BOKEH-MASTER(ボケマスター)」の異名をとり、ボケの美しさには格別の評価があります。
論より証拠、作例をご覧ください。
お馴染み、Flickrのリンクです。
https://www.flickr.com/groups/nikon105mmf14/pool/
ボケが素晴らしいだけでなく、ピント面のシャープさはひときわ素晴らしく、さすがはシグマといった感じです。
ただ・・・
なんと重さが1,645グラムもあります。
70-200mm/2.8を超えちゃってます。。
三脚座まで付属しちゃうほどの超重量級なんです。
それに、鯉(こい)の口みたいな先端形状・・・好みじゃないんですよね。
性能がいくら良くても、デザインにフィーリングを感じない場合は、絶対に買いません。
「いや、むしろこのデザイン、いいじゃん!」「超重量級?どんと来いや!」という人は、ぜひ検討してみてください。画質は折り紙つきですので。
135mm F1.8 DG HSM | Artに決定!その決め手は・・・
【購入の決め手 その1】絶妙な焦点距離
135mmとメインの28mm。
この焦点距離差であれば、まず迷いようがありません。
今日はあの公園で使うから、こっちだな、という感じに即決できます。
35mmのように標準寄りの広角レンズを持っている方や、50mmといった標準レンズを使っている人にとっても、85mmや105mmは一緒に使うときにどっちを使うべきか迷うことが出てくる可能性があると思いますが、135mmまでくればはっきりと棲み分けができると思います。
また、135mmという焦点距離は、180mmや200mmと違って、望遠でありながらも被写体とコミュニケーションをとったり、視線をもらったりが自然にできる絶妙な距離感で撮れるのも魅力です。
子どもを撮るときも圧迫感を与えずに自然な表情を引き出せる最高のポートレートだと思います。
【購入の決め手 その2】 勇ましく美しいデザイン
見よ、この堂々とした勇ましさと、造形美を。
85mm 1.4 Artと比較しても、しなやかなデザインで美しいと思います。
そして 太くておっきい。
レンズ単体の全長は11.5センチで、フードを付けると約18センチ。
ちなみに、さっき出てきた、70-200mm/2.8なんか比べるとかなりコンパクトなんです。
あっちは、レンズだけで全長が約20センチあり、フードをつけるとさらに6-8センチ程度長くなりますから。
また、重量は1,130グラムです。
これまた70-200mm/2.8との比較ですが、ニコン純正は1,430グラム、シグマは1,805グラムなので、その差は歴然です。
【購入の決め手 その3】 ニコン機でもピント調整不要。
実はシグマのレンズはニコンのカメラと相性が悪いと言われることがあります。
その理由はピントが合わない(前ピン、後ピン)ことがあるというものです。
しかし、私の愛機では全く問題ありませんでした。
いろんなレビュー記事を見ても、シグマにしては珍しくピント調整が不要だった、という意見が多く見られたのです。すごいぞシグマ!
【購入の決め手 その4】浅い被写界深度
135mmという焦点距離をもちながら、F値は1.8とかなり明るいレンズなので、開放での被写界深度はかなり浅いので要注意です。
たとえば、これ↓
失敗ショットなんですが、左端の子の瞳にピントを合わせてフォーカスロックで撮ったところ、右端の子の瞳にはピントが合っていませんでした。
遠目には、同一面上に並んでいるように見えたのですが。。
それくらい被写界深度が浅いんです。
F値と撮影距離の感覚を掴むのに少し慣れが必要になると思います。
ピント面のシャープさと強烈なボケの最強コンビ
上のほうでも書きましたが、SIGMAのレンズは「よく解像する」とか「描写がシャープ」と言われることが多いですが、このレンズもまた同様にピント面は気持ちいい~!」と声が漏れるほどクッキリハッキリなんです。
そして、ピント面がシャープだからこそ、ピントがあわない部分(ボケ部分)とのギャップがより一層明確になり、くっきりヌケのよい絵になるわけなんですよね。
次の写真ですが、がっつりトリミングしてみました。(ノンレタッチです。)
カメラは1,600万画素なので、トリミング耐性は決して高くはなんですが、気持ちいいくらいに解像してますよね。
【購入の決め手 その5】最短撮影距離が短い
この焦点距離にして、最短撮影距離が87.5cm しかないんです。
なので、室内でも使えちゃいます。
さすがに室内ポートレートで使う人は少ないと思いますが、マクロ的な使い方もできますし、意外に遊べるレンズなんです。
ちなみに、近い焦点距離の105mmはSigma、Nikonともに、最短撮影距離は100cmなんですよ。
欠点は、ピント範囲スイッチの切り替え忘れ問題
このレンズには、ピント範囲の切り替えボタンが付いています。
「FULL」にしておくと、すべての範囲でAF(オートフォーカス)が効き、
「1.5m-∞」は1.5m以上離れているときにだけAFが効くというわけです。
ピントのあう範囲をあえて制限することで、より素速いAFを実現することができるという素敵な機能なんですが、そもそも切り替え忘れてしまうということがしばしば。
このレンズの唯一とも言える問題点です。
そこで、自分なりに考えた対策は、
「そもそも1.5mm未満では使わない」
135mmという長めの焦点距離なので、1.5m以内で使うことは稀なはずなんですよね。
だったら、常に「1.5m-∞」にして使う、と割り切ればいいという考え方です。
そう割り切ったら、あとは何も考えずに撮るだけ。
あ、はっきり言って、AFはかなり速いですよ。
走ってる子どもの瞳にガチピンと来たもんだ!
ちなみに、通常は1.5mが堺になるんですが、SIGMA USB DOCK(↓)を使うことで3mに変更、みたいなこともできちゃうんです。
価格は4千円近くしますが、ファームウェアの更新やピント調整もできるので、SIGMAのレンズを持っているなら、1つ買っておいてもいいでしょう。
まとめ
冒頭でも述べたように、普段28mmや50mmあたりの焦点距離をメインで使用されている方に、ぜひおすすめしたい望遠レンズです。
85mmあたりだと、焦点距離が比較的近いため、どちらを使うべきか迷いがちになりますが、135mmであればはっきりと棲み分けができますので、迷わず撮影に集中できるでしょうし、何より、広角・標準域のレンズとは大きく異る画作りが楽しめます。
また、シグマのレンズは昔からピシっと気持ちがいいくらい解像するので、上でも述べたように、ボケるところと、ボケないところのメリハリがしっかりしており、ヌケがよく、印象的な写真が撮れるのも特徴です。
しかも同クラスの純正レンズよりも価格も安いとなれば、選択肢に入れない理由はありませんよね。
珍しく、これといった欠点もないため、しょっちゅうレンズを売り買いする私も、さすがにこのレンズは手放せそうにありません。
ということで、元量販店カメラ担当のふわくがマジでおすすめする一本、SIGMAの135mm 1.4 Artのレビューでした。
▼SONYユーザーにはこちらがおすすめです^^
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