こんにちは。元量販店カメラ担当のふわくです。
APS-Cやマイクロフォーサーズ用のレンズの製品情報を見ると、「35mm換算で50mm相当」といったような表記がされています。
たったこれだけの表現ですが、これが様々な誤解を生んでいます。
読んで意味がわからなくても大丈夫!
絵をながめるだけでも何となくわかるように工夫してありますので、ぜひお気軽にご覧ください^^
※本記事の内容を簡略化した記事を追加いたしました。ぜひこちらもご覧ください^^
「35mm換算50mm相当」ってどういう意味なの?
結論から言います。ズバリ、
「フルサイズセンサー(35mm版センサー)のカメラで、焦点距離50mmのレンズを使って撮ったのと同じ画角で写る」
です。
【写真A】マイクロフォーサーズ一眼&25mm(50mm相当)/F1.8レンズ
【写真B】フルサイズ一眼&50mm/F1.8レンズ
※A,Bともに同じ位置で撮影しています。
35mm換算50mm(以下、換算50mm)と50mm(以下、リアル50mm)では、背景の見え方やボケの量なんかは全くの別モノなんです。
一方で、「同じ条件で撮影した場合、同じサイズ感で写る」という共通点があります。
いや、厳密には、「同じ画角で写る」というのが正しいです。
ここからは、デジかめんピンクの質問に答えながら、もう少し詳しくご説明します。
「APS-Cやマイクロフォーサーズのほうが望遠に強い」ってホント?
でもね、はっきり言うけど、そんなものはただの「まやかし」。
いや「洗脳」といってもいい。
ホントのところは、「画角(がかく)が狭くなっているだけ」なんだよ。
次はどちらも同じレンズを使ってみます。
下の写真をご覧ください。
【写真C】マイクロフォーサーズ一眼&50mm(100mm相当)/F1.8レンズ
【写真D】フルサイズ一眼&50mm/F1.8レンズ
やっぱりセンサーサイズが小さいほうが望遠に強いってことじゃないんですか?
実のところ、「寄れてる」のでなく、画角が狭くなっているだけなんです。
ちょっとここで、写真Dをトリミング(切り取り)して、画角を狭くしてみます。
【写真D】フルサイズ一眼&50mm/F1.8レンズ
そして、あらためて写真Cと比べてみます↓
【写真C】マイクロフォーサーズ一眼&50mm(100mm相当)/F1.8レンズ
【写真D】フルサイズ一眼&50mm/F1.8レンズ
トリミングで比較するというのは正確な例え方ではないんですが、理論上はこれに近いです。
もし、「マイクロフォーサーズで150mm/F2.8を付けたらサンニッパ!」とか言うお友達がいたら次のようにドヤ顔で教えてあげてください。
「うん。画角の狭さだけはいっちょまえにサンニッパ。でもボケは所詮150ミリ並み。サンニッパじゃなくてイッテンゴニッパなのだよ。」
「フルサイズのほうがボケやすい」は本当??
撮影条件(距離やF値)が同じであれば、焦点距離が長いレンズほどボケるので、その意味では本当です。
最初のほうでも書いたとおり、「50mm相当」と「リアル50mm」とでは、実際の焦点距離が違うので、当然ボケの量も違うわけです。
[st-card id=”1836″ label=”関連記事” bgcolor=”red” color=”” readmore=”on”]
同じ焦点距離、同じF値のレンズを使ってもフルサイズのほうがボケやすいの?
今度はトリミングせずに、撮影場所を調節して、被写体が同じ大きさになるように撮影してみます。
下のような位置で撮影して調節しました。
↓
すると、こんな感じになりました。
遠くなった分、被写体も車も小さく写ります。
【写真E】マイクロフォーサーズ一眼&50mm(100mm相当)/F1.8レンズ 少し離れて撮影
ちなみに元の位置(被写体に近い位置)からフルサイズで撮ったほうはこれ↓
【写真F】フルサイズ一眼&50mm/F1.8レンズ
同じ焦点距離、同じF値のレンズを使ってもフルサイズのほうがボケやすいというのはあながち間違っていないと言えるよね。
同じF値でも、フルサイズのほうが明るい?
同じF値でもフルサイズのほうが明るいと主張する人が稀にいますが、それは間違っています。
F値はレンズの明るさを表す値なので、同じF値なら、フルサイズ一眼だろうが、APS-C一眼だろうが、マイクロフォーサーズ一眼だろうが、明るさは一緒なのです。
まとめ
ともあれ、フルサイズが最強ってことですね!
APS-Cやマイクロフォーサーズにだってメリットはあるよ。
そのへんの内容についてはまた記事を書きたいと思うので楽しみにしててね。
というわけで今回は以上です。
「35mm換算◯◯mm相当」の意味がわからない~という人がいたら、説明するよりこのページを見てもらうほうが手っ取り早いと思うのでぜひご活用いただければ嬉しいです。
あ、そうそう言い忘れてました。
換算焦点距離の計算方法ですが、
APS-Cで1.5倍、マイクロフォーサーズセンサーで2倍です。
つまり、50mmのレンズの場合、
APS-Cなら、75mm相当、マイクロフォーサーズなら、100mm相当です。
今回の話題をもっとシンプルに説明した記事を書きました。ぜひこちらもご覧ください♪
コメント
コメント一覧 (8件)
写真A.Bの関係は違うと思います。
同じ画角であれば背景の車の大きさは変わらず、ボケだけが変わるかと思います。
コメント承認は不要です。
ご指摘のとおり、背景の大きさも変わりませんね。
大変失礼いたしました。
コメント承認ご不要とのことでしたが、
訂正させていただいた旨をお知らせするために、
承認させていただきました。ご了承ください。
このたびはご丁寧にご指摘くださいましてありがとうございました。
写真A Bなら、 Bの方が背景が大きくなるかと思います。焦点距離が二つとも違うので換算距離は一緒でも圧縮効果の影響は違うためです。
ご意見いただきありがとうございます。
実際のところ、「換算焦点距離が同じ=望遠圧縮効果も同じ」が正しいようです。
こちらのページの後半に実例があります。
http://blackface.exblog.jp/23324949/
絞り値は同じで、実際の焦点距離は異なるため、ボケ量だけは異なりますが、
圧縮効果は同じ、つまり、背景のサイズは変わりません。
私もたびたび混乱しそうになります^^;
圧縮効果発生のメカニズムに関する認識に誤解がありましたので、訂正させていただきます。
結論から言いますと、
「レンズの焦点距離が同じであろうが、異なっていようが、圧縮効果に差異はない。被写体とレンズの間の距離が遠くなればなるほど、圧縮効果が高くなる。」
というのが、圧縮効果の正しい解釈のようです。
「いやいや、望遠のほうが圧縮効果高いし」と思われる方も多いかも知れませんが、実際のところ、レンズと被写体との実距離が離れれば離れるほど、被写体と背景の距離感が小さく見え、望遠レンズを使うことで、より一層それが顕著にわかるようになります。
これが、望遠レンズを使えばあたかも圧縮効果が高くなるかのように言われている理由なのだと思います。
この圧縮効果については今日までの私も含め、本当に理解されている方は少ないのではないかと思いました。
このたびは学びの機会をいただきありがとうございました。
p.s. 今回参考にしたページです。
https://papacame.com/perspective-and-compression-effect
「APS-Cやマイクロフォーサーズにだってメリットはあるよ。
そのへんの内容についてはまた記事を書きたいと思うので楽しみにしててね。」
その後、センサーサイズの小さなこれらのフォーマット機のメリットのお話はされたのでしょうか。
楽しみにしております。
コメントありがとうございます!
そして・・・申し訳ありません!まだ記事は書いてません。
でもせっかくリクエストいただきましたので、早めに書かせていただきますね^^
ご返信が遅くなりましたが、以下の記事を追加しておりますので、ぜひこちらもご覧いただければ幸いです^^
フルサイズやAPS-Cじゃなくてマイクロフォーサーズを選ぶメリットはあるの?
https://digicamen.jp/m43-apsc/